仕上げ磨きをさせてくれないなら、違う方法でお子様の歯を守りましょう。
歯磨きが一番のむし歯予防だと思い込んでいた方には、目から鱗が落ちるかもしれません!
手軽に楽しくできるむし歯予防の一部をご紹介します。


おやつがむし歯予防に一役買います。


おやつというとお菓子を連想していませんか?
お子様のおやつは「補食」の意味合いです。乳幼児は一度の食事で十分な栄養を摂ることが難しいので、その分を補うことがおやつの役割です。
次の3つを満たしていることが良いおやつと言えるでしょう。

1,歯垢や酸を作る力が低い 
2,お口の中に入れている時間が短い 
3,お口の中に残りづらい

乳製品やおにぎり、ふかしたお芋や果物などがこの3つを満たしています。
おせんべいやチョコレート、キャラメルなどはどれかの項目に当てはまりません。
すでに甘いものを覚えてしまったお子様には、人工甘味料を使ったお菓子を少量食べさせることも良い方法かもしれません。

そして、まずは3度の食事をしっかり食べることが大切です。おなかが減らないので中途半端な時間に食べたがりません。
3歳までは3度の食事のほかに10時と3時に、3歳以降は3時におやつを摂ることが良いそうです。
食べるときは、だらだら食べるのではなく「10時から10時20分の間に」などと時間を決めることも重要です。

食べた後に歯を磨かなくていいの?とお思いでしょう。
歯は食べ始めた直後から溶け始めます。そして、食べ終わった後だ液の力でゆっくりと元に戻っていきます。
ですから、食べた直後に磨くことはむし歯にならないことには直結しません。
乳幼児は歯ブラシに頼るより、生活習慣を確立することがむし歯予防に大きな影響を与えます。



子供の自分磨きは遊びです。


仕上げ磨きは大泣きするのに、自分でする歯磨きは楽しそうにしている。よく聞きます。
でもブラシの部分を噛んでしまってすぐに開いてしまうし、磨けているのか心配ですね。
磨けていません(笑)。
自分磨きはお子さんにとって遊びの延長です。歯磨きが楽しい遊びなのです。
歯は仕上げ磨きできれいにしてください。



仕上げ磨きのコツ
1,歯ブラシの毛先を歯と歯肉や歯と歯の間にまっすぐにあてる。
2,5ミリ幅を目安に1本ずつ小刻みに磨く。1か所20回程度。
3,歯ぐきをマッサージするくらいの軽い力(150g~200g)で磨く。
4,小帯(上唇と歯肉をつなぐすじ)に当てないようにする。(上唇をめくり指ですじを隠して磨くと良い)
5,奥歯は噛み合わせる部分の溝を意識する


仕上げ磨きを嫌がります。どうしたらよいでしょう?




安心してください。
仕上げ磨き用の歯ブラシを見たとたん逃げ出す子や、体中でローリングして嫌がる子、唇や舌で歯を隠してしまう子はたくさんいます。
そんな時、むりやりやるのは禁物です。
できないときはあきらめましょう。そして、ご機嫌な時に「やってみようか」と声をかけてください。
食事の後でなくても構いません。寝かせなくても構いません。
ちょっとでも歯にブラシを当てられたら大げさに褒めてください。
この成功体験がお子様をやる気にさせてくれます。

また「10数える間だけ磨かせてね」も効果的です。(10カウント法)
ゴールが見えれば我慢ができますよね。
10数える間できなければ5でもいいのです。5数える間を3回やれれば15回できます。
この時もできたら大げさに褒めることを忘れないでください。

声かけも良かったという話も聞きました。
遊びのように笑顔で「お口にばい菌発見!」「やっつけるよ~」と言ったらお口をあけて磨かせてくれたと、通院している患者様に教えていただきました。



それでも心配、いつから歯医者に行っていいのでしょう。



心配になったらいつでもお越しください。
歯が生えてなくても問題ありません。歯が生える前にできることはたくさんあります。

おじいちゃんやおばあちゃんが甘いものを与えてしまうという話もよく聞きます。
そんな時は、おじいちゃんたちに歯医者に連れてきてもらってください。
予防のプロである歯科医師や歯科衛生士がお話しして、協力してもらえるように働きかけます。

そして一番大事なこと。
泣いてもいいのです!
知らない場所、知らない大人に囲まれたらびっくりしますし、怖いです。大人だって歯医者が苦手な人はたくさんいます。
お口が開けられなくてもいいです。診察室に入れなくてもいいです。まずは歯医者に来たことが大進歩です。
おうちの方に困ったことや不安なことを聞いてアドバイスをします。
プロフェッショナルから直接アドバイスを受けることはとても有効なむし歯予防につながります。
(どうしても泣くことが気になるなら、患者様の少ない時間や時間外などの診察を聞いてみてくださいね)

歯磨きに固執せず、多方面からのアプローチで楽しくむし歯予防をしていきましょう。


参照
https://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=1394
https://boshieiyou.org/
https://www.kao.co.jp/clearclean/oralcare/nyushi/06/

あおき矯正歯科