「むし歯の治療、いつ終わるの?」多くの方が抱くこの疑問を解消します。治療の内容やむし歯の進行度によって期間は変わります。当院では、治療の過程を透明にし、患者様の不安を少しでも軽減するための情報をお伝えします。各治療の詳細から、中断時の対応まで、こちらで詳しく解説いたします。

 

 

通院回数や期間は、病状によって異なります。

あおき矯正歯科では、小さなむし歯であれば、1回30分程度で治療が終わります。コンポジットレジンという、樹脂製の詰め物を詰めて修復する方法です。
インレー(削った部分を埋める詰め物)やクラウン(削った歯を全体的に覆うかぶせ物)は模型を作って作製するので、2回から5回程度の通院が必要です。
ずきずき痛む神経まで侵されてしまったむし歯は、根管治療(根管内部をきれいに清掃し消毒する治療)を行います。状態により2回から10回程度、もっと通院する場合もあります。その後、クラウンの作製に取り掛かります。
当院ではこの回数が実現できますが、保険診療の場合、国の定めた細かなルールがあるので、もっと通院する場合があります。すべての人に平等に治療を提供するための大切な決まりなのです。

 

 

治療には、ボロボロになった象牙質を取り除くなどがあります。

他にも、歯の内部に入った細菌を除去したり、インレーやクラウンを作るために、精密な型を取ったりしています。主なものをいくつかご説明します。

 

う蝕処置・レジン充填

う蝕処置とは、歯の構成物質である象牙質が、細菌によって柔らかくボロボロになった部分を、丁寧に取り除く処置です。キーンという音のするタービンや、ゴトゴトとするエンジンといった治療機械を使います。またエキスカというとても小さなスプーン状の器具で、ボロボロした部分を徹底的にきれいにします。その後、コンポジットレジンという、セラミック粒子と合成樹脂を合わせた歯科用プラスチック素材で穴を埋めます。強度や接着システムも良く、白さも選べるので審美性にも優れています。1回の治療で済むこともメリットです。

 

 

う蝕処置・インレーまたはクラウン

う蝕処置後、治療部分が大きかったらインレーやクラウンなどを作ります。まず、シリコン素材の印象材(型を取るために噛む粘土のようなもの)を使って精密な歯型を取ります。対合と言って治療部分と反対側の歯型と、噛み合わせの位置関係を確定する、バイトと言われるものも必要です。歯型に石膏を流して、治療して穴の開いた状態の精密な模型を作ります。この模型とバイトを利用して、あなただけのインレーやクラウンを歯科技工士が作製します。ピッタリ合うのは当たり前と思っているかもしれませんが、日本の歯科医師の型どりの技術、歯科技工士の作製のレベルは世界トップクラスなのですよ。

 

↑詰め物がどこだか分からない程です。

 

根管治療・クラウン

いわゆる「神経を取る治療」が根管治療と呼ばれるものです。ズキズキと痛みだしたら、歯の根の中まで細菌が入り込んでしまっている可能性が高いです。まず、う蝕処置を行ってから、神経が通っている根管をきれいに処置する必要があります。根管の直径は0.3mmから0.01mmという細さで、根管の数も歯によって1本から3本以上と異なります。これらすべての根管内から、ファイルと呼ばれる治療器具で浸食された神経や血管を取り除きます。取り残しや内部に傷をつけないよう慎重に行うので、時間がかかります。次に感染物質が残らないように薬剤で徹底洗浄し、治療によって空洞になった根管内部を埋めるために、充填剤を入れセメントで隙間なく固めます。毎回マイクロスコープとラバーダムを使用するので1回の時間もかかりますし、細い根管をきれいにするためには回数もかかります。

 


その後、クラウンを安定させるための支台「コア」をセットし、クラウンの作製に入ります。根管治療が進むと痛みが治まっていきますが、頑張って通ってください。中途半端にすると抜歯しなくてはならないことになるかもしれません。

 

中断しなければならない場合、早めにご相談ください。

入院や留学などで、やむを得ず中断しなくてはならなくなった場合は、すぐにご相談ください。なるべく問題が起こらない状態にしなくてはなりませんので、治療計画の立て直しをする場合があります。その後、通えるようになったら必ず治療の続きをしましょう。治療を中途半端にすることは、デメリットしかありません。
また引越などで転院しなければならないときも早めにご相談ください。今までの治療内容などの資料を用意し、次の医院での治療がスムーズに行えるようにします。ただ、歯科医院によって治療方針が違いますので、慎重に選んでいただけるといいと思います。

 


痛くなくなったので行かなくなってしまった。再度通院するのは照れくさいかもしれませんが、悪化してしまうともっと辛い治療になります。少し勇気を出して予約の電話をしてください。歯科医院は優しく受け入れます(^_^)

 

一緒に治そうという意志をお持ちください。

虫歯は病気です。虫歯の穴を埋めることだけがむし歯治療ではないこと、治療には時間がかかることはご理解いただけたかと思います。虫歯は細菌だけでなく、多くの要因が重なって起こる複雑な慢性の病気です。痛くなったり穴が空いたりするのは、その病気の結果です。

歯医者に行けばすぐになんとかなるものではありません。一緒に病気を治そうという意志を持っていただかないとうまくいきません。体が病気になったらお医者さんがOKを出すまで熱心に通いますよね?お口の病気も同じです。


二人三脚で治療を行い、治療後は予防を行うことで、再発を防げます。長い将来のお口の健康を一緒に守っていきましょう。

 

参考

いーでんたるへるす
メディカルック
歯内両方ウィキペディア

niko 2023年7月号

あおき矯正歯科