定期的な歯科検診で「治療の必要なし」と言われているのに、学校の歯科健診で「要治療」になることはよくあります。
それは、学校の健診では少しでも怪しい部分を発見し、専門の場所で、精密な検査を受けて、適切な処置をしてもらうことが目的だからです。
治療の必要がないこともあるのです。



定期的に歯医者に通っているのに、学校の歯科健診で「要治療」と言われてしまうのはなぜ?


十分な明かりがないうえ、短時間で数百人の歯を見なくてはならないのが理由の一つです。
本当はじっくり見て診断したくても、そんなことをしていたら健診は終わりません。
しかし学校の健康診断は、「子供の健康の保持増進を図るために実施するもの」と位置付けられています。
少しでも「むし歯っぽいかな」と思ったらチェックをして、かかりつけの歯科医院で精査してもらいたいのです。
だから「C」をつけて、「要治療」とするのです。

さて、ここまでで気づきましたか?
「健診」と「検診」。
学校での歯科健診はこちらの字。文字通り、健康診断の略です。
健康診断は、何か悪いところはないか、悪そうなことろはないか見つけることが目的です。

それに対して歯科検診は、むし歯や歯周病など特定の病気を早期発見することが目的です。
そのために、レントゲンやダイアグノデントなども使用し精密な検査をし、問診で生活環境も確認します。
そのうえで治療が必要か、進行するむし歯なのか、診断しています。



「C」がたくさんあっても、むし歯がたくさんあるわけではありません。個人によって状態が異なります。

「C」はcaries(カリエス)の略ですが、段階があります。



左から右に向かって重傷です( ;∀;)
一番左のCOは治療せずに、経過観察で良いとされていますが、
C1以降でも進行していないむし歯であったり、適切な予防を施していれば治療の必要がない場合があります。
一口にC1やC2と言っても、個人によって状態が異なるのです。
学校健診ではそこまでじっくり見られないので、歯の溝が黒っぽかったり、白っぽかったりしてもチェックを入れるでしょう。


「あおき矯正歯科は治療をしてくれない」?それは早期発見早期予防・管理が大切だからです。

早期発見早期治療を良しとする考え方もありますが、
当院ではずっと、早期発見装置予防・管理が大切だと考えております。
この考えは大切だったと改めて考えさせられた患者様の事例を紹介します。

当時小学生の女の子でした。
確かに歯の溝が黒くなっていましたが、メインテナンスでケアをして進行は止まっていました。
毎回ダイアグノデントや心配な時はレントゲンを撮って、念入りにケアしていた歯です。
お家の方にもレントゲンを見てもらい説明をし、お家でのケアについてもお話ししていました。
当院の診断では、まだ治療の必要はなしでした。

ですが、学校健診でそれらの歯が「要治療」という結果にになり、おうちの方は心配だったのでしょう。
「爆弾を抱えているなら削って詰めてしまいたい」と思ったそうで他院で治療しました。
その歯医者さんは、他にも治療すべき歯がたくさんあるとのことで、数本の歯に銀色の詰め物をされたとのことです。


そして、この子は半年後くらいにあおき矯正歯科に戻ってくれました。
本人が「”あおき”じゃないと歯医者に行かない」を言ってくれたことと、
説明もなく、たくさん削って詰めてしまった事に、お家の方が不信感を抱いたそうです。

彼女は当院の診察室に入るときに涙を流しながら「麻酔をする?」と聞いていました。
歯医者で怖い思いをしてしまったのでしょうか。
この言葉には、私たちも涙が出そうでした。今まで診察室の中を勝手に歩き回って困ってたくらいなのに・・。

早期発見早期治療をよしとする考え方も承知しています。けれども当院は、早期発見早期予防・管理を重要視します

気になる歯が生えている場所、生活環境、お口の環境によってむし歯の進行のスピードも違います。
気になる歯は毎回、特に念入りにチェックし、個人のリスク要因に合わせた予防方法をアドバイスしています。
治療の介入は遅ければ遅いほど良いと考えています。

「むし歯なし」といわれているので、歯医者とは無縁です。


学校健診ではつい虫歯の有無だけを確認しがちです。
そこでむし歯なしと言われれば安心してしまいますよね。
でも前述の通り、暗い場所で大人数を見るわけですから油断は禁物です。

歯肉の状態は?歯並びは?口臭などはいかがでしょうか。
何もないのに病院に行くのは抵抗がある方もいると思いますが、ぜひ、精密な検査を受けてください。
成人を過ぎるともっと歯医者とは無縁になります。
すると、むし歯はなくても歯周病になっている方の多いこと多いこと!
歯周病は、痛みもなく気が付くと歯が抜けてしまう怖い病気です。他の病気との関連も知られています。
定期的に歯医者に行くことを癖づけることは、生涯の健康にも大きくかかわってきます。



また、2025年をめどに大人も歯科健診を義務付けて、健康寿命を延ばそうという国の対策もあります。
早い時期から始める定期検診やメインテナンスは、健康寿命を延ばすための大きな役割を持っています。



あおき矯正歯科