むし歯の原因と進行度合い、基本的な治療の流れを説明します。を説明します
治療の流れと安心な治療内容を説明します
予防の重要性を説明します
将来の状態まで見据えたむし歯治療
むし歯があったから削って詰め物をしました。これでは将来どころか、3ヶ月先も不安です。それは、むし歯の原因を追及せずに治療をしているからです。
お口全体の状況、噛み合わせ、歯周病の有無、生活習慣、年齢・・。それらを十分に診断し、再治療が必要にならないようにすることが理想です。
ただし、お口のなかやむし歯の状態によっては、次の治療のことも考えて、あえて削りすぎと思われるような治療をすることが、必要になる場合もあります。
むし歯(caries(カリエス))について
むし歯の原因
むし歯とは、口の中にいる細菌が食べ物の糖を栄養にして作る酸によって、歯が溶けて穴が空いてしまう病気です。
「細菌」「歯の質」「糖」の3つの良くない条件が重なり、時間が経過することで発生します。
細菌の出す酸は、まず歯の外側のエナメル質を溶かし、進行するとその内側にある象牙質を溶かします。
この溶けた象牙質を軟化象牙質と呼びます。
むし歯の進行
CO(シーオー) 現時点では治療せず、定期的なメインテナンスで経過観察をします。
C1、C2(シーワン、シーツー)
痛みがなかったり、たまにしみたりする程度です。
むし歯の部分を取り除き、詰め物などをする必要があります。
C3(シースリー)
痛みが強く日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
根管治療を行い、被せ物をする必要があります。
C4(シーフォー)
歯の神経が死んでいて、歯冠が崩壊した状態です。
痛くないことが追いですが、抜歯になる可能性が高いです。
むし歯治療
う蝕処置(むし歯の除去)
カリエス処置(C処置)とも言い、主にC1からC2の進行度の時に行います。
歯の表面を削って、内部のむし歯の感染部分(軟化象牙質)を丁寧に取り除きます。
エキスカバーターという小さなスプーン状の診療器具を使い、取り残しがないよう丁寧に取り除きます。
覆髄処置(ふくずいしょち)(MTAセメント)
歯髄を守るために有効な治療です。歯髄とは、歯のもっとも内部にある神経や血管がある部分で、むし歯にならないようにする機能がたくさんあります。
歯髄近くまで進行したむし歯では、刺激によって歯髄に炎症が起きて痛みが強くなったり、神経を取る治療が必要になる場合があります。
そうならないように、MTAセメントという薬剤で歯髄を覆う治療を「覆髄処置」(ふくずいしょち)と言います。
歯髄の保護、温存により、大きな治療を先延ばしにできます。
コンポジットレジン(CR)または詰め物(インレー)
むし歯の感染部分の除去が出来たら、詰めていきます。
咬合面(歯の噛む面)はコンポジットレジンを用いることが多いです。
自然に見える色を選択し、削った部分を直接埋めて、光照射器を当てて固めます。
この青い光はじっと見ないでくださいね。
歯のカーブした部分などは、インレーという詰め物を用います。
型取りをして技工士がオーダーメイドで作製します。
患者様のお口の状況、噛む力などを考えて、材料を選択します。
根管治療(こんかんちりょう)
根管治療とは、いわゆる「根っこの治療」と呼ばれる治療です。
歯は、歯茎より上に露出している部分を「歯冠」といい、歯茎に埋まっている部分を「歯根」といいます。
根管は「歯根管(しこんかん)」とも呼ばれ歯根の中心にあり、神経や血管を含む歯髄という組織が入っています。
むし歯が進行して、根管にまで達したとき、歯髄を除去したり、細菌に感染して壊死して腐った部分を取り除いたりします。
主にC3からC4の状態の歯に用いる治療です。
根管治療の流れ
診断と治療説明
レントゲン撮影、マイクロスコープを利用して、根管治療が適切か、治療後どのようなことが考えられるかを診断し、ご説明します。
必要であれば、CT撮影を行う場合があります。治療内容にご納得頂けたら開始します。
ラバーダム防湿で感染の予防
ラバーダムとは、治療する以外の歯を覆う薄いゴム製のシートです。
ラバーダムを使用することによって、だ液や細菌が根管内に侵入することを防ぎ、清潔で安全な治療が可能になります。
アメリカなど先進国では、根管治療に必須とされています。
マイクロスコープの使用で患部が見える
マイクロスコープとは、治療部分を拡大し精密な治療を行うために用いる機械です。
しっかりと目で確認しながらの治療は、正確性が上がるため、治療時間の短縮にも効果があります。
根管の中の治療は非常に困難です。根管は1ミリ以下の太さの上、複雑に入り組んでいるのです。しかも奥歯になると根管は3本以上になる事もあります。
ニッケルチタンファイルを使った安全で迅速な治療
コードレスの根管治療用モーターに取り付けて使用します。
柔軟性の高いニッケルチタンファイルを低速で回転させ、効率的かつ短時間で処置します。
ファイルにかかる負荷を検知するので、歯質への過剰な負荷を押さえられて安全なうえ、効率よく治療が進められます。
MTAセメントを使った根管充填
歯髄を除去した根管に詰め物をして封鎖する治療が根管充填です。
従来は根管充填に「ガッタパーチャポイント」という天然ゴムを原料とした材料を使っていました。
MTAセメントはそれに比べ、封鎖性、殺菌などの効果が高いので、細菌の繁殖を最大限に減らし、治療の成功率は格段に上がります。
ファイバーコアでの支台築造
神経の治療などにより、歯に十分な歯質が残っていない場合に支台(コア)を使います。
歯を補強したり、被せものの支台になる重要な部分で、根管治療の予後を左右するとまで言われています。
当院では柔軟性や金属アレルギーの心配のないファイバーコアを使用しています。白いので審美性にも優れています。
画像参照 https://www.shinbi-shika.net/shinbi_html/illust/index4.html
補綴物(ほてつぶつ)
仮歯(Temporary Clown)
治療途中の歯に被せる人工歯のことです。
治療中の歯の見た目を良くする効果もありますが、削った部分に細菌が入らないようにしたり、噛める状態を維持して被せものが入ったときに違和感を少なくする役目もあります。
仮歯は治療中に取り外しを繰り返すので、取れやすい接着剤を使用しています。
レジンで作る仮歯やメタルの仮歯があります。目的に応じて使い分けます。
内冠(二重冠)
被せもの(クラウン)やブリッジの前に、歯を保護するために被せる金属の冠を内冠(ないかん)と言います。
通常治療した歯に直接接着してしまいますが、内冠があることによって、被せものに無理な力が加わったとき、被せもののみが外れて自分の歯を守ります。
また、接着剤が外れて細菌が侵入しても、内冠が細菌の侵入を防ぐのでむし歯になるリスクが格段に減ります。
フルジルコニアクラウン
セラミックの一種で高い強度と耐久性を持つ素材で出来た被せもの(クラウン)です。
主に奥歯に使われていましたが、近年改良が加わり前歯にも使用できるほど色の調整ができるようになりました。
ゴールドクラウン
当院では白金加金を使用しています。
セラミックに比べ柔らかいので、食いしばりによる破折が少なくなります。
また、歯と密着する感じになり細菌の侵入を防ぎむし歯になりづらくなります。
予防の重要性
歯科治療の介入は可能な限り遅らせる方が良いですし、治療をしないに越したことはありません。
なぜならば自分の歯は一生ものですが、詰めたりかぶせたりした補綴物は、一生持続するわけではないからです。
補綴物と自分の歯の間には、どんなに精密に治療しても10ミクロンほどの隙間があると言われています。
細菌は約1ミクロン。接着剤が劣化し細菌が侵入してむし歯になったり、毎日の食事や噛みしめのために治療した歯がかけたり補綴物が外れたりと、むし歯のリスクは上がります。
健康なお口の中を保つためには、治療をしないこと、治療をしなければならないならば、最良の治療をすることが大切です。
そして、なるべく治療をしないために、定期的なメインテナンス、歯科衛生士のアドバイスに沿った毎日のセルフケアで、むし歯を予防することがとても重要になるのです。
症例1
症例2
Before
After
通院内容
歯科治療
状態の変化・考察
う蝕処置、中を除菌処置しコンポジットレジンで充填
副作用・リスク
- 小さめのう蝕の適していて広範囲の治療には向きません
- 噛み合わせの状態により破折する場合があります
- 経年変化により変色する可能性があります
かかった費用
治療本数5本(2回)
132,000円(26,400円/本)